美祢伊佐雄
もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたとしたら
『3分待てなかった』
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まず、焼きそばの作り方から書くつもりだが、はじめに、その焼きそばを紹介しよう。
商品名は、「ペヤング焼きそば」という名で、まるか食品株式会社が作っている。 本格的鉄板やきそばをイメージし、コシのある麺、
飽きのこないまろやかな味のソースで人気を得ている。
製造されてから二十九年が経つのである。
「焼きそば殺人事件」罪名は、夫殺しである。須村さと子は、××女専を出た。
卒業するとある会社の社員となった。
職場で好きになった男がいたので、直ちに結婚した。それが須村要吉である。
さと子はどこで毒を盛ったのか。
@ フタを「A」から「B」の線まではがし、ソース、かやく、ふりかけ・スパイスを取り出す。
Aかやくをめんの上にあけ、熱湯を内側の線まで注ぎ、フタをする。
B3分後、「C」の湯切り口を矢印の方向にゆっくりはがす。
Cカップの「☆」の部分2ヶ所をしっかり持ち、ゆっくり傾けながら湯切り口よりお湯をすてる。
Dフタをすべてはがし、ソースをよく混ぜ合わせ、ふりかけ・スパイスをかけて食べる。
さと子は、3分待ったのか、誰も見ていなかった。
本当に湯切りをしたのか。
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『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたとしたら』の中に
松本清張も登場していた。
題は、『カップと焼きそば』。
当然、『点と線』のパロディなのだが、触発されてパロってみた。
『一年半待て』で、『3分待てなかった』。 |